神国別命
(弘子彦から転送)
神国別命(かみくにわけのみこと)は、霊界物語に登場する人物。初代天使長・大八洲彦命の配下の天使。素盞嗚尊の奇魂[1]。国祖隠退後は「弘子彦神(ひろやすひこのかみ)」に改名して宣伝使となった。後世、孔子として生まれた[2]。
概要
- 初出:第2巻第5章「黒死病の由来」#(神国別命)、第5巻第18章「宣伝使」#(弘子彦神)(この章で改名した)
- 表記ゆれ:神国別、弘子彦
- 神国別命と佐倉姫の二人は、長白山の山腹に古くから鎮まる智仁勇兼備の神将で、国祖の系統であり、木星の精が降って顕れた。[3]
- 十六天使の一人。[4]
関連人物
主なエピソード
- 大八洲彦命は言霊別命に命じて、長白山の神国別命と佐倉姫を、地の高天原の部将として招致した。そのとき邪神の美山彦・国照姫は、死海に沈んだ黒玉[6]を爆発させて、長白山の周囲に邪気を発生させた。この邪気は無数の病魔神に変じて、神国別命の神軍を苦しめた。神軍は大熱を発し、死ぬ者も多数出た。この病魔は世界に広がり、ペストの病菌となった。佐倉姫は天の木星に向かって救援を請うと、木星から榊の枝が下ってきた。佐倉姫がこの榊葉を振ると、長白山の邪気は散ってロッキー山の方に向かって消滅した。〔第2巻第5章「黒死病の由来」#〕 (この後、神国別命は長白山を部下の豊春彦と猛虎彦に任せ、地の高天原の部将となる)
- 神国別命は地の高天原で神政を総轄することになった。鬼雲彦は常世の国から地の高天原に現れ神政に参加しようとしたが、神国別命の声望に嫉妬して、排除するため、言霊別命に神国別命を讒言する。神国別命と鬼雲彦は対立するが、鬼雲彦はその勢力を失い、地の高天原を負われ、鬼城山に逃れた。〔第2巻第8章「嫉視反目」#〕
- 常世彦の魔軍に対して「破軍の剣」を使い「殺すなかれ」の律法に違反した罪により、大八洲彦命・神国別命ら四天使は更迭され、万寿山に蟄居することになった。〔第3巻第43章「配所の月」#〕
- 常世彦の要求により、国祖はやむを得ず、大八洲彦命・神国別命ら4人を根の国に追放する。〔第4巻第44章「虎の威」#〕
- 国祖隠退後、神国別命は「弘子彦神」に改名し、言触神(宣伝使)となり、宣伝の旅に出る。〔第5巻第18章「宣伝使」#〕
- 常世の国の東岸に着いた船の船上で、神国別命は、港にいる春日姫に歌で問うと、春日姫もまた歌で答えた。神国別命は船を下り、春日姫と森林の中で互いの近況について語り合う。二人は別れ、春日姫は船に乗り、神国別命は西へ旅立った。〔第6巻第8章「春の海面」#~第9章「埠頭の名残」#〕
似た名前の人物
- 神国彦:神国別命と一緒に名前が列記されるが、神国別命との関係は不明。
脚注
- ↑ 大八洲彦命、言霊別命、大足彦命、神国別命の4人は素盞嗚尊(国大立命)の四魂である。第3巻第43章「配所の月」#:「この四神将は元来国大立之命、天神の命を奉じて大海原の国を知食すべく、その精霊魂を分ちて神界の守護に当らせたまひしものにして(略) 神国別命は奇魂である」
- ↑ 第6巻第23章「諸教同根」#:「弘子彦司は一旦根底の国にいたりしとき、仏者の所謂閻羅王なる野立彦命の命により、幽界の探険を中止し、再たび現界に幾度となく出生し、現世の艱苦を積みて遂に現代の支那に出生し、孔子と生れ、治国安民の大道を天下に弘布したりける」
- ↑ 第2巻第5章「黒死病の由来」#:「長白山の山腹に古くより鎮まります智仁勇兼備の神将に、神国別命、佐倉姫の二神人があつた。その麾下には豊春彦、猛虎彦ありて一切の神務を掌握し、八百万の神司を集めて天下の趨勢を観望し、鋭気を養ひ、潜勢力を備へて天使の来迎を待ちわびてゐた。この神人は国治立命の御系統にして、木星の精降つてここに顕はれたのである」
- ↑ 第3巻第1章「神々の任命」#
- ↑ 第15巻第3章「十六花」#:愛子姫らのセリフ「ヤア汝こそは悪逆無道の鬼雲彦、前生に於ては竜宮城に仕へ、神国別の部下とならむとして、花森彦命に妨げられ、是非なく鬼城山の棒振彦が砦に参加し、神罰を蒙つて帰幽したる悪魔の再来、復び鬼雲彦と現はれて、この顕恩郷に城砦を構へ、天下を紊さむとする悪魔の帳本」
- ↑ 第1巻第50章「死海の出現」#