八衢の関所
八衢の関所(やちまたのせきしょ)は、霊界物語に登場する地名または組織。中有界(別名:八衢、精霊界)にあり、死者の善悪を裁く霊界の政庁である。
概要
- この政庁は第1~3巻では「幽庁」と呼ばれており、それ以降は「八衢の関所」「八衢関所」「精霊界の関所」「伊吹戸主の神の関所」等と呼ばれている。[1]
- 幽庁の主は「幽庁の大王」だが、八衢の関所の主は「伊吹戸主神」である。
- 初出:第47巻第7章「酔の八衢」#(八衢の関所)
- 八衢の関所には天国へ上る人間と地獄へ落ちる人間とを調べる二つの役人がおり、天国へ上るべき人間に対しては色の白い優しい守衛が調べ、地獄へ落ちるべき人間に対しては赤い顔の形相の凄まじい守衛が調べる。[2]
- 八衢の関所は八衢の中心にあり、伊吹戸主神の関所である。正守護神も副守護神もすべてのものの会合する所であって、ここにて善悪真偽を調べられ、かつ修練をさせられ、悪の改善をする見込みのない者は、ある一定の期間を経て地獄界に落ち、善霊はその徳の度応じて、各段の天国へそれぞれ昇って行く。[3]。
- 中有界には八衢の関所の他に、似たような機能を果たす「三途の川」や「一途の川」があり、「脱衣婆さまの関所」「幽界の関所」等と呼ばれているが、幽庁や八衢の関所との関係は不明である。八衢の関所の登場場面では「三途の川」や「一途の川」の話題は出ず、次のように幽庁と八衢の関所の間にこれらの川が登場するため、幽庁から八衢の関所に移行する中間の段階なのかも知れない。
主なエピソード
八衢の関所が舞台となるのは次の通りである。主な登場人物のみ記し、具体的なエピソードは省略する。
- 共通
- 伊吹戸主神、赤の守衛、白の守衛
- 第47巻第7、10~12章
- 治国別、竜公
- 第10章#:欲野深蔵(鬼族婬偽員)、ハリス(バラモン教の宣伝使)、
- 第11章#:徳(呉服屋の番頭)、叶枝(芸者)
- 第12章#:言依別命
- 第48巻第7~9章、第15章
- 片彦将軍、ランチ将軍、ガリヤ、ケース(4人ともバラモン軍)、お民、蠑螈別、エキス、お寅(の副守護神)
- 第15章#:治国別、竜公(別名・玉依別)
- 第52巻第9章、第12~17章、第23~27章
- 文助
- 第12章#:17~8歳の色の黒い青年、
- 第13章#:黒長姫
- 第14章#:久助
- 第15章#:年子(文助の娘)、平吉(文助の息子)、竜助
- 第16章#:冬助、おくみ(文助の両親)
- 第17章#:飴屋
- (第23章で高姫は空から落ちて帰幽)
- 第23章#:高姫、杢助
- 第24章#:大原敬助、片山狂介、高田悪次郎
- 第25章#:呆助、おつや
- 第26章#:年子、平吉、柊村のお照、鳶の弁造
- 第27章#:時置師神(杢助)、伊吹戸主神
- 第54巻第15~17章
- 第15章#:六助(運転手、悪川鎌子の情夫)、悪川鎌子
- 第16章#:病井妖仙(医者)、人尾威四郎(弁護士)、要助(好色男子)
- 第17章#:スミエル(玉木村のテームスの娘)、スガール(スミエルの妹)、道晴別、シーナ
- 第56巻第3~9章
- 第3章#:ケリナ姫、鎌彦、ペル、シャル、ヘル
- 第4章#:六造
- 第5章#:高姫
- 第8章#:求道居士
- 第57巻第9~12章
- 高姫、シャル
- 第10章#:鰐口曲冬
- 第11章#:三千彦
- 第63巻第11~14章
- (第9章で伊太彦、ブラヷーダ、アスマガルダ、カークス、ベースの5人はウバナンダ竜王の毒にやられて昏倒してしまう)
- 第11章#:カークス、ベース
- 第12章#:伊太彦、高姫、ブラヷーダ、アスマガルダ
- (第12章の後半で5人は初稚姫に救われて蘇生する)
- 第70巻第6~7章
- 高姫、トンボ、キューバー
- (第7章の末尾でキューバーは蘇生し、高姫の精霊は千草姫の体内に入って甦る)