ハルの湖

出典: 出口王仁三郎と霊界物語の大百科事典『オニペディア(Onipedia)』

ハルの湖(はるのうみ)は、霊界物語に登場する湖。月の国にある。タラハン国にあると思われる[1]

概要

  • 表記ゆれ:ハルの湖(はるのみずうみ)、ハルの海(はるのうみ) [2]
  • 初出:第67巻総説#第67巻第2章思想の波#
  • ハルの湖は、オーラ山脈の東南麓の高原地帯に広がる東西200里、南北300里の大きな湖。大小無数の島が星のようにあり、その島にもパインの木が密生している。[3]
  • ハルの湖の南に「スガの港」がある。[4] [5]

主なエピソード

ハルの湖は第67巻の前半と第72巻の前半で舞台となる。

第67巻

海賊の襲来

梅公ヨリコ姫花香姫の一行3人は、師の照国別の一行に合流するために、ハルの湖波切丸に乗った。

夜、一艘の船に乗った14~5人の海賊に襲撃される。頭目のコーズは乗客に「持ち物一切を献上せよ」と怒鳴るが、そこへ一人の女(ヨリコ姫)が現れてコーズを始め海賊を海に投げ込んでしまった。

波切丸の船長のアリーは、遠くの島影に十数艘も海賊船が見えたので、航路を東に転じて岸辺に近づけた。しかし暗礁に乗り上げてしまった。

梅公は宣伝歌を歌う。すると颶風が吹いて、波切丸は暗礁から離れた。風はたちまち止んだ。再び波切丸は南へ向かって進み出した。〔第67巻第2章思想の波#第3章美人の腕#

笑いの座

波切丸の乗客は「笑いの座」を始めた。この地方の風習で、参加者は黒い布で顔を包んで誰だか分からないようにして、王様の話題でも一般市民の話題でも何でも、おもしろおかしく話して笑いこけ、不平や鬱憤を吐露するというものである。

オーラ山の盗賊だったヨリコ姫シーゴー玄真坊が話題に上がった。シーゴーはこの船に乗っていて、それをこっそり聞きながら、改心すると誓ったのに泥棒に未練があり心が揺れ動いていた。そこをヨリコ姫に見つかる。ヨリコ姫は梅公に導かれて宣伝の旅についていることを感謝し、そして天地に向かって三つの誓いを立てた。シーゴーはヨリコ姫の訓戒を聞いて、心を立て直す。梅公は「神仏無量寿経」を独唱した。〔第67巻第4章笑の座#第5章浪の皷#

浮島の陥没(アケハルの岩)

波切丸はハルの湖で一番高い岩山(夜光の岩山)の横を通り過ぎる。その頂上に直立している岩を「アケハルの岩」と呼ぶ。その岩が牛のような虎猫となって逃げて行き、そして岩山自体が沈んでしまった。→「アケハルの岩」、「浮島の怪猫」を見よ 〔第67巻第6章浮島の怪猫#

海賊の再襲来

再び海賊が襲撃してきた。頭目のコーズは実はシーゴーの部下だった。シーゴーが改心したと知り、バカにして、シーゴーがやめろと制止するのを無視する。梅公天の数歌を唱えると、震えて逃げて行った。〔第67巻第7章武力鞘#第8章糸の縺れ#前半〕

船長アリーとダイヤ姫の数奇な関係

船長のアリーも実は海賊で、ダリヤ姫(スガの港の薬種問屋のアリスの娘)を誘拐して船内に監禁していた。アリーとダリヤの呪わしい因縁が明かされる。ダリヤ姫はアリーの異父妹だった。アリーの母アンナをアリスが誘拐し、生ませた子がダリヤ姫だった。アリーの父アリスタンは妻を奪われた無念さでハルの湖に身を投げて自殺した。アリスはその恨みを晴らすためにダリヤ姫を殺すつもりで誘拐したのだった。

ダリヤ姫は死を覚悟するが、アリーは梅公の宣伝を聞いて改心する。

波切丸はスガの港に到着した。〔第67巻第8章糸の縺れ#後半~第9章ダリヤの香#

第72巻

入江村浜屋旅館に泊まっていた千草の高姫妖幻坊の杢助は、照国別一行が泊まりに来たことに気づき、慌てて旅館を逃げ出すと、舟を盗んでハルの湖をスガの港へ向けて漕いで行く。照国別一行(照国別照公梅公別)は翌日、船に乗ってスガの港へ向かった。〔第71巻第20章困客#

千種の高姫と妖幻坊の杢助が乗った高砂丸 [6] では「高砂笑」(笑いの座)が行われ、コブライコオロの二人が、高姫や妖幻坊の悪口を叩いていた。船底で縮こまりその話を聞いている高姫・妖幻坊の二人は、悔し涙をのみながら素知らぬ顔をしていた。突然暴風が吹き高砂丸は転覆してしまう。〔第72巻第2章時化の湖#

照国別一行4人(照国別照公梅公別玄真坊)は常磐丸に乗りハルの湖をスガの港へ向かっていた。突然暴風が吹き出す。彼方に高砂丸が遭難しているのを見つけ、照国別は常磐丸をそちらに向かわす。〔第72巻第3章厳の欵乃#

高砂丸から水中に飛び込んだ千種の高姫と妖幻坊の杢助は、老木が茂る離れ島(太魔の島)に漂着した。そこで逢い引きしていたカップル(フクエ岸子)を、高姫は「銀杏姫」と名乗って騙して藪の中に引き込み、大量の蟻の餌にしてしまう。そして彼らが乗ってきた小船を奪って島から逃げ出す。〔第72巻第4章銀杏姫#

照国別一行が乗った常磐丸は、沈没した高砂丸の乗客を救った。梅公別は「他にも救うべき人あり」と言って、浜辺の町で常磐丸を降り、小舟を借りて太魔の島へ向かう。常磐丸はスガの港へ向かった。〔第72巻第5章蛸船#

高姫・妖幻坊が乗った小舟と、梅公別が乗った小舟がすれ違った。二人は梅公別の後を追って太魔の島に引き返す。梅公別はカップル(フクエ岸子)が高姫に騙されて藪の中で蟻に苦しめられていることを透視して知っており、すでに鎮魂をかけて蟻を退けておいた。高姫は梅公別を騙して藪の中に入れ、舟に乗って島を去る。梅公別は騙されたフリをして藪の中に入り、カップルを救い出し、スガの港へ向かった。〔第72巻第6章夜鷹姫#

照国別一行が乗った常磐丸スガの港に着いた。この港は鰹(かつお)の漁が盛んで、一行も網引きに加わった。照国別は「神の道の宣伝は一対一が相応の理に適う」ことを照公に説く。〔第72巻第7章鰹の網引#

脚注

  1. 湖畔のスガの港スガの里)はタラハン国にあるので。
  2. 使用回数は、ハルの湖(うみ)21回、ハルの湖(みずうみ)9回、ハルの海6回
  3. 第67巻第2章思想の波#
  4. 波切丸はハルの湖を「南」または「西南」に進みスガの港に到着している。第67巻第3章#:「水面を南に南に辷り行く」、第67巻第6章#:「波切丸は万波洋々たる湖面を、西南を指して」
  5. 第72巻第10章清の歌#アリスの歌「(スガの港から見て)に清けきハルの湖」
  6. 第71巻第20章困客#には「一艘の舟を盗んで一生懸命にハルの湖の波を分けてスガの港へ向け漕いで行く」と書いてあり、小さな舟を盗んで二人で漕いで行ったような記述だが、第72巻第2章時化の湖#では大勢の乗客が乗った高砂丸という船になっている。

関連項目