大足彦
大足彦(おおだるひこ)は、
(1) 霊界物語に登場する人物。竜宮城の勇神[1]。初代天使長・大八洲彦命の配下の天使。素盞嗚尊の荒魂[2]。国祖隠退後は「足真彦(だるまひこ)」に改名し宣伝使となる。「達磨」として生まれ変わり禅を広めた[3]。
(2) 霊界物語第9巻第4章の章題。松竹梅の三姉妹は従者・照彦を伴い、ウヅの都へ父(桃上彦=正鹿山津見)を探しに行くため、筑紫島から高砂島へ向かう三笠丸に乗っていた。その船上で、大足彦(足真彦)宣伝使が宣伝歌を歌い、四人の門出を祝う。
本項では(1)の人物としての大足彦について解説する。
概要
- 初出:第1巻第31章「九山八海」#(大足彦)、第5巻第18章「宣伝使」#(足真彦)
- 表記ゆれ:大足彦命 / 足真彦神、足真彦命
- シオン山の戦いの時の十六神将の一人。(初代天使長・大八洲彦命の配下の三天使[4]のうち十六神将に加わっているのは大足彦だけである)
- 十六天使の一人。[5]
主なエピソード
- 大足彦は木花姫命から「国の真澄の鏡」[6]を与えられた。万寿山に避難している稚桜姫命をこの鏡で照らすと、その正体は鬼姫の後身であるバイカル湖の黒竜で、空に逃げ去った。〔第2巻第4章「真澄の神鏡」#〕
- 大足彦は神軍を率いて、邪神に占領されたロッキー山を奪還した。部将の言代別をロッキー山の八王に、足世彦を八頭に任じた。〔第3巻第8章「従神司の殊勲」#〕
- 国祖隠退後、大足彦は「足真彦」に改名して、言触神(宣伝使)となり、宣伝の旅に出た。〔第5巻第18章「宣伝使」#〕
- 常世の国の「紅の郷」で、蓑彦が住む「紅の館」に現れる。〔第5巻第50章「磐樟船」#〕
- 鬼城山で、美山彦に捕まっていた春日姫とその侍者・春姫、それと月照彦神を救う。この4人によって美山彦は改心した。〔第6巻第2章「瀑布の涙」#~第6巻第7章「旭光照波」#〕
- 高砂島へ向かう三笠丸の船上で、大足彦は宣伝歌を歌い、松竹梅の三姉妹とその従者・照彦の4人の門出を祝う。〔第9巻第4章「大足彦」#〕
脚注
- ↑ 第2巻第4章「真澄の神鏡」#:「ここに天使大八洲彦命は竜宮城の勇神、大足彦、花照姫、道貫彦を添へて、木花姫命の鎮まりたまふ芙蓉山を守らしめたまうた」
- ↑ 大八洲彦命、言霊別命、大足彦命、神国別命の4人は素盞嗚尊(国大立命)の四魂である。第3巻第43章「配所の月」#:「この四神将は元来国大立之命、天神の命を奉じて大海原の国を知食すべく、その精霊魂を分ちて神界の守護に当らせたまひしものにして、 大八洲彦命は和魂であり 言霊別命は幸魂であり また、 大足彦命は荒魂であり 神国別命は奇魂である。」
- ↑ 第6巻第23章「諸教同根」#:「また足真彦は、これまた月照彦神の後を逐ひて月氏国に出生し、達磨となつて禅道を弘布したり」
- ↑ 言霊別命、神国別、大足彦
- ↑ 第3巻第1章「神々の任命」#
- ↑ 第2巻第7章「天地の合せ鏡」#:「さきに木花姫命より大足彦に賜はりしは国の真澄の鏡である」