丹波村の平助親子

出典: 出口王仁三郎と霊界物語の大百科事典『オニペディア(Onipedia)』
お楢から転送)

この項目では、丹波村の平助について説明しています。その他の用法については「平助 (曖昧さ回避)」をご覧ください。

この項目では、丹波村のお楢について説明しています。その他の用法については「おなら (曖昧さ回避)」をご覧ください。

丹波村の平助親子(たんばむらのへいすけおやこ)とは、霊界物語の登場人物で、丹波村に住む平助(へいすけ)・お楢(おなら)夫婦と、孫娘のお節(おせつ、後に玉能姫と改名)の三人のこと。

概要

  • 初出:第16巻第20章思はぬ歓#(平助、お楢、お節)
  • 平助とお楢は、主に第16~17巻に登場する。
  • お節は第16~17巻の他、「玉能姫」と改名し、それ以降も登場する。 →「玉能姫
  • 項目名の「丹波村の平助親子」そのものは霊界物語に出ない。便宜上の呼び方である。単なる「平助親子」なら5回出る。「平助一家」とは呼ばれない。
  • 実際には親子ではなく、祖父母と孫娘であるが、霊界物語で「親子」と呼ばれている。お節の父母はすでに帰幽しており、平助夫婦が娘として育てた。[1]

主なエピソード

平助とお楢夫婦は、一年前の冬、二人の旅人を泊めたところ、金を盗まれ、孫娘のお節を誘拐された。犯人は大江山鬼雲彦の家来の鬼彦鬼虎であった。

それから一年後、真名井ケ岳に進む三五教の一行(音彦加米彦岩公鬼彦鬼虎勘公櫟公の七人。悦子姫の弟子たちだが、悦子姫本人は先に行ってしまい、この場には居ない[2])が現れ、泊まらせて欲しいと頼むが、信用できないため断った。

そこへ悦子姫がお節を伴い走って来た。比治山の奥の岩窟から助けて家まで送って来たのだ。平助・お楢は嬉し涙を流して感謝する。悦子姫は神界の御用があるからと、音彦と加米公(加米彦)を連れて先に行ってしまった。

平助は残った五人を快く泊まらせようとするが──その中に当の犯人の鬼彦・鬼虎がいるのを見つけ、帰れと怒る。岩公が、その二人は改心して悦子姫の家来になったとフォローするが、平助は許さない。二人は泊まらずに、雪の中を先に進み、残りの三人だけが平助の家に泊まった。〔以上、第16巻第20章思はぬ歓#第21章御礼参詣#

翌日(正月28日[3])、平助親子三人はお節が帰ってきたお礼のため、真名井ケ岳の神様にお参りするため、三五教の三人と一緒に家を発ち、雪道を歩いた。

親子は老人と娘で足が遅いので、岩公たち三人が先に進んで行った。(ここに岩公や鬼彦たち五人のドラマが入るが省略→「鬼彦鬼虎」を見よ)

親子が追いつくと、五人(鬼彦鬼虎岩公勘公櫟公)は真っ裸で、野中のウンコを中央に両手を合わせて祝詞を奏上していた。(五人は狐に騙された)

鬼彦が先頭に雪道を進んで行く。雪崩が起きて、お節が雪に呑まれ、首から上だけ出して悲鳴を上げる。鬼彦・鬼虎は罪滅ぼしとして、雪の塊を取りのけた。

雪から出たお節は──嫌らしい笑い声を出して山奥さして猿のように走って行く。一同はその後をついて行く。お節(の化け物)は岩石の前で倒れて、そのまま姿は白煙となって消えた。

ここは「魔の巌窟(いわや)」で、昨年、鬼彦・鬼虎がお節を閉じ込めた岩窟だった。一年分くらいの食料を入れてあるので飢え死の心配はなかった。二人は岩壁を押すと、開いて中からお節を救出した。〔以上、第17巻第1章黄金の衣#第3章生死不明#

一行八人は真名井ケ岳豊国姫の出現地を目指して登って行く。岩公たち五人は裸で寒いので、岩公・勘公・櫟公は親子三人を背負わせてもらう。平助・お楢の五人に対して敵愾心を表し、特に鬼彦・鬼虎に対しては恨みが強かった。二人はお節を救出して改心の証拠を示したが、敵愾心はなくならなかった。

ところが、岩公・勘公・櫟公の三人が天女となって真名井ケ岳の奥を目がけて飛んで行き、続いて鬼彦・鬼虎も天女となって飛んで行った。

それを見て平助は「あんな男が天人になれるのなら、自分たち三人も立派な天人にしてくれてもよさそうじゃないか」と嘆く。お楢は「人間から見て悪に見えても善の場合もあり、人間が勝手に善だと思って自惚れていると、いつの間にか邪道に落ちて苦しむこともある。若いうちから無慈悲なことをして鬼の平助と言われて来たのだから、こんな憂き目に遭うのは当然だ」と反省した。〔以上、第17巻第4章羽化登仙#

平助親子三人は山道を進んで行くと、一人の婆が二人の若い娘を伴って行く手を塞いだ。ウラナイ教黒姫と、照子姫清子姫だ。黒姫は、近くに家があるから寄って行きなさい、と引き込もうとする。そこへ音彦青彦が三人を迎えに現れた。すると黒姫は逃げてしまった。〔第17巻第5章誘惑婆#

三人が豊国姫の降臨地を参拝すると、悦子姫に豊国姫が神懸り、悦子姫一行に鬼ケ城山へ進めと神示が下った。三人は悦子姫一行と別れて家路についた。〔第17巻第6章瑞の宝座#

平助親子は帰宅した。平助は発熱して帰幽する。お節も体調が悪くなり伏せてしまう。お楢は真名井ケ原に参詣しようと比治山を登って行く。するとまたもや黒姫が照子姫・清子姫を伴い現れ、祈祷してやると、家に行く。

お節は熱にうなされて青彦の名を呼んでいた。黒姫はウラナイ教の筆先を読んで聞かせるが、お節のますます苦しみ出し、危篤状態になる。黒姫は「神界の御用がある」と言って帰ってしまった。〔以上、第17巻第9章#第10章#

お節の精霊は八衢を彷徨った。岩公たち五人の副守護神が現れ、山で酷い目に遭わされた恨みを晴らしてやると言って、お節に襲いかかろうとする。そこへ青彦の精霊が現れて、助けてくれた。

お節は病が癒えて、目が覚めた。数日後、黒姫夏彦常彦を伴って現れた。お楢とお節は、お前には騙されないゾと追い返そうとするが、帰らない。そこへ青彦が現れ、黒姫を追い返してくれた。

お節の気持ちを覚ったお楢は青彦に「お節の婿になってくれ」と頼むが、青彦は「悦子姫や音彦の許しを得て返事します」と帰って行った。〔以上、第17巻第11章顕幽交通#

→「玉能姫」「第16巻」「第17巻」も見よ

関連書籍

脚注

  1. 第16巻第21章御礼参詣#平助のセリフ「若夫婦には先立たれ、たつた一人の孫を娘として育て上げ」
  2. 第16巻第20章思はぬ歓#:「『(略)妾は之より一足先に参ります、左様なら』 と云ふより早く、矢を射る如く見る見る姿を隠したりける」
  3. 第17巻第1章黄金の衣#:「あくれば正月二十八日」