トーク:出口王仁三郎の肉声レコード
出口王仁三郎の肉声レコード復刻版のトーンを解析してみた。
各社の天津祝詞を使い「たかあまはらに~」の初めから「かしこみかしこみもまをす」が終わるまでの時間を計った(手動測定)。
版 | 時間 |
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みいづ舎版 | 133秒 |
王仁魂版 | 134秒 |
八幡書店版 | 132秒 |
愛善世界社版 | 146秒 |
愛善世界社版以外はみな同じ長さである(手動測定なので1~2秒は誤差の範疇)。
愛善世界社版は他社版より時間が10%程度長い、つまりピッチを10%ほど遅くしたことが分かる。
声のトーン(高低)がどの程度低くなったのかを調べた。採譜支援ソフト「WaveTone」[1]を使い各社版の「たかあまはらにかみつまります」の部分の基本周波数(人間の声は複数の周波数から成るがそのうち一番低い周波数。基音)を、画面上で手動で測定した。最も長い時間続く基本周波数は次のようになった(手動なので誤差がある)。
版 | 時間 |
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みいづ舎版 | 304~308Hz |
王仁魂版 | 300~308Hz |
八幡書店版 | 304~309Hz |
愛善世界社版 | 277~282Hz |
愛善世界社版を280Hz、他社版を307Hzとして計算すると、愛善世界社版は他社版と較べおよそ8~9%ほど周波数が低くなっている。理論上はピッチが2分の1になると周波数も2分の1になるので、ピッチを10%を遅くした結果、8~9%周波数が低くなったという結果は妥当なところか?(いずれも手動測定なので誤差がある)
仮に十二平均律の音程に当てはめると、愛善世界社版の基音はC#4(277.18Hz)くらいになる。他社版はD4(293.66Hz)とD#4(311.13Hz)の中間くらいである。
280Hzと307Hzの間のセント値は159なので[2](半音は100、全音は200)、ざっくり言って、愛善世界社版は他社版より半音と全音の中間くらい(0.8音?)低くなったということになる。