鬼城山の美山彦一派
鬼城山の美山彦一派(きじょうざんの みやまひこ いっぱ)とは、霊界物語のエピソード。第6巻第1篇「山陰の雪」にほぼ該当する。
概要
巻章
場所
鬼城山の美山彦一派の隠れ家
登場人物
三五教
ウラル彦の勢力(後のウラル教)
あらすじ
三五教の宣伝使・足真彦は世の大峠(大洪水)を告げ知らせるため常世の国を宣伝に歩いていた。 ナイヤガラの滝を右に見て鬼城山に向かって歩いていると、怪しい男が老若二人現われる(鬼熊彦、鬼虎)。 若い男は「われわれは親子で今日は母の三年祭。宣伝使に自宅に来て欲しい」と頼む。 足真彦は怪しいと思いながらもそれを承諾して付いて行く。
山奥に二人の屋敷があった。実は邪神の美山彦の隠れ家である。 足真彦はとっさに耳の聞こえないふりをした。 すると鬼熊彦は足真彦が聞こえないものと思い込み、こっそりと真実をしゃべり出す。これは美山彦の計略で、今夜殺す予定である。
そこへ一人の美女が現われた。春日姫だ。彼女は月照彦の後を慕い、また夫・鷹住別を探すため、世界中を宣伝に回っていたのだが、三年前[1]、鬼熊彦によって誘拐されてしまい、侍女の春姫と共にここに監禁されていた。 美山彦の妻(国照姫)がウラル山に行ってからは、美山彦に妻となれと強要されていたが、貞操は守り通していた。 実は月照彦も騙されてこの屋敷に連れて来られていた。春日姫は美山彦一派を懲らしめる策を足真彦に話す。
春日姫は美山彦に妻になるよう迫られていたのを逆手に取って、今夜、結婚式を挙げることにしたのだ。そして宴席で酒を飲ませて美山彦たちを酩酊させた。 月照彦、足真彦、春日姫、春姫の四人は集まり、美山彦たちの手足を縛って、宣伝歌を歌って聞かせる。 すると彼らは頭痛や胸痛で苦しみ藻掻く。 宣伝使たちは彼らに憑依する邪神を退去させ、縄をほどいてあげた。一同は両手を合わせて感謝する。美山彦もついに我を折って三五教に帰順した。
四人はナイヤガラの滝で禊をした後、各自別れて東西南北に散って行った。