キヨの関所
キヨの関所(きよのせきしょ)は、霊界物語に登場する関所。イヅミの国のキヨの港にある。
概要
- 表記ゆれ:キヨの港の関所
- 別称:チルテル館(やかた)、チルテルの館、関守の館
- スマの里が近くにあるためか、「スマの関所」と呼ばれる場合もある。[1]
- 初出:第58巻第9章「湖月」#
- 第58巻と第59巻のみに出る。
- キヨの関所はバラモン軍の管下にあり、トップは総取締のチルテル。
主なエピソード
第59巻第2章~第17章で舞台となる。
- チルテルの妻チルナ姫は、チルテルが連れて来て奥の別室(はなれ)に寝泊まりしている女(初稚姫)が夫と浮気しないように、カンナとヘールに、あの女を口説き落としてくれと頼む。〔第59巻第2章「歌垣」#~第3章「蜜議」#〕
- その頃チルテルは、スマの里の里庄バーチルの館で酒を飲んでいたが、部下のテクに、初稚姫をここに連れて来るよう命じた。テクがチルテル館の別室へ行くと、初稚姫とカンナ、ヘールがおり、カンナ、ヘールに席を外してもらい、チルテルのいるバーチル館に来てくれと命を伝える。それを外から聞いていたチルナ姫は、夫が初稚姫に恋慕していると知って狂乱状態となる。初稚姫は、自分は神に仕えており、ハルナの都に行く途中だが、チルテルの好意でここにいるだけだと歌で答える。〔第4章「陰使」#~第5章「有升」#〕
- 一方、チルテルは、バーチル館からデビス姫を誘拐して、自分の館の倉の中へ入れた。館に戻るとチルナ姫と、初稚姫のことでケンカとなる。〔第6章「雲隠」#~第7章「焚付」#〕
- デビス姫が誘拐されたことに気づいた三千彦と伊太彦は、チルテル館へ行き、倉からデビス姫を救出し、代わりにカンナを縛って倉に放り込む。チルテルは、チルナ姫が発狂したので縛って倉へ放り込めとヘールに命じる。〔第8章#〕(第9章はバーチル館)
- 初稚姫を手にするため、チルテル、ヘール、テクの三人が庭で相撲を取り、ヘールとチルテルは地下室に続く深い落とし穴に落ちてしまう。そこへワックス、ヘルマン、エキス、エルの四人[2]が現れた。初稚姫は勝ったテクと握手をしようと言う。テクがその手を握ると、初稚姫はたちまち大きな白狐となった(その正体は三五教を守護する旭)。テクは逃げ出す。ワックスたち四人も逃げるが落とし穴に落ちてしまう。〔第10章#~第12章#〕(第13章はチルテル館の近くの森)
- それより先、三千彦、伊太彦、デビス姫の三人は落とし穴に落ちてしまい、広い岩窟の中で寝ていた。するとそこへヘール、チルテルが落ちて来る。そして次にワックスたち四人も落ちて来る。続けて17~8人の兵士たちが落ちて来る。兵士たちも一人も残らず落ちてしまったので、もう誰も助けに来る者はない。すると、救助に来た玉国別、真純彦、アンチー、テクの四人もこの岩窟ホテルに落ちて来た。そこへ初稚姫とスマートが、石段を下って現れ、一同を救助する。地上に出て、さらに倉の中のカンナとチルナ姫も助け出す。ハルナの都に急ぐため初稚姫はスマートを連れて姿を消した。〔第14章#~第17章#〕