「巽の池」の版間の差分
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([[乾の滝]]の大蛇を言向け和した後)[[末子姫]]、[[捨子姫]]、[[カール]]、[[石熊]]の四人は[[テル山峠]]の頂上に着いた<ref>{{rm|30|4|懐旧の歌}}</ref>。山道を下って行くと途中に「巽の池」があり、[[乾の滝]](乾の池)の大蛇の片割れが棲んでいる。ウヅの都の[[若松彦]]の命で末子姫たちを迎えに来た三人の男(春公、幾公、鷹公)と合わせて七人で、巽の池の大蛇退治に向かう。〔{{rm|30|6|樹下の一宿}}~{{rms|30|8|露の道}}〕 | * ([[乾の滝]]の大蛇を言向け和した後)[[末子姫]]、[[捨子姫]]、[[カール]]、[[石熊]]の四人は[[テル山峠]]の頂上に着いた<ref>{{rm|30|4|懐旧の歌}}</ref>。山道を下って行くと途中に「巽の池」があり、[[乾の滝]](乾の池)の大蛇の片割れが棲んでいる。ウヅの都の[[若松彦]]の命で末子姫たちを迎えに来た三人の男(春公、幾公、鷹公)と合わせて七人で、巽の池の大蛇退治に向かう。〔{{rm|30|6|樹下の一宿}}~{{rms|30|8|露の道}}〕 | ||
* 一行は巽の池に到着した。末子姫は石熊に先陣を命じるが、石熊は半泣きになってそれを断る。末子姫が「宣伝使の言葉に取り消しはありません」と戒めると、石熊は勇気を出して言霊を発射し、大蛇帰順の宣伝歌を歌い出す。しかし上から目線で改心を強要するような歌であり、失敗した。末子姫はもう一度宣り直しなさいと命じる。{{rm|30|9|醜の言霊}} | |||
一行は巽の池に到着した。末子姫は石熊に先陣を命じるが、石熊は半泣きになってそれを断る。末子姫が「宣伝使の言葉に取り消しはありません」と戒めると、石熊は勇気を出して言霊を発射し、大蛇帰順の宣伝歌を歌い出す。しかし上から目線で改心を強要するような歌であり、失敗した。末子姫はもう一度宣り直しなさいと命じる。{{rm|30|9|醜の言霊}} | * 石熊は改めて言霊を発射し、歌い出す。今度は丁寧に善言美詞的に宣り上げたが、やはり効果がない。石熊は「自分の過去の罪が深いので大蛇が馬鹿にしているのではないか」と恥ずかしがる。末子姫は「それは実に善い考えだ、その心を忘れるな」と言う。そして「あなたは三五教に入らなくてもよい。神様の誠の教えは、三五教だとかバラモン教だとかウラル教だとか、小さい区別されたものではない。名に囚われているようでは、誠の神の心は分かるものではない。すべて神の教えは自由自在に解放され一つの束縛もなく惟神的でなくてはならない。それが三五の道の真相である」と諭すと、石熊は感謝の涙を流した。末子姫は捨子姫に言霊を手向けるよう頼む。捨子姫が歌うと、短く簡単な歌であったが、その言霊の効用が現れ、黒雲はたちまち晴れ渡った。〔{{rm|30|10|妖雲晴}}〕 | ||
* そして末子姫が歌うと、池の水は左右に開けて白竜が現れ、末子姫のそばに進み来て、涙を流して伏している。やがて白竜の体は小さくなり、ついには目に見えなくなった。竜神解脱の喜びに数多の天人が舞い下り、女神の姿と化した巽の池の竜神を守りつつ、空高く消えて行った。〔{{rm|30|11|言霊の妙}}〕 | |||
石熊は改めて言霊を発射し、歌い出す。今度は丁寧に善言美詞的に宣り上げたが、やはり効果がない。石熊は「自分の過去の罪が深いので大蛇が馬鹿にしているのではないか」と恥ずかしがる。末子姫は「それは実に善い考えだ、その心を忘れるな」と言う。そして「あなたは三五教に入らなくてもよい。神様の誠の教えは、三五教だとかバラモン教だとかウラル教だとか、小さい区別されたものではない。名に囚われているようでは、誠の神の心は分かるものではない。すべて神の教えは自由自在に解放され一つの束縛もなく惟神的でなくてはならない。それが三五の道の真相である」と諭すと、石熊は感謝の涙を流した。末子姫は捨子姫に言霊を手向けるよう頼む。捨子姫が歌うと、短く簡単な歌であったが、その言霊の効用が現れ、黒雲はたちまち晴れ渡った。〔{{rm|30|10|妖雲晴}}〕 | |||
そして末子姫が歌うと、池の水は左右に開けて白竜が現れ、末子姫のそばに進み来て、涙を流して伏している。やがて白竜の体は小さくなり、ついには目に見えなくなった。竜神解脱の喜びに数多の天人が舞い下り、女神の姿と化した巽の池の竜神を守りつつ、空高く消えて行った。〔{{rm|30|11|言霊の妙}}〕 | |||
== 脚注 == | == 脚注 == |
2018年6月16日 (土) 14:17時点における版
巽の池(たつみのいけ)は、霊界物語に登場する池。テル山峠(テルとウヅの国境にある)の山頂から、ウヅ側(東側)に下った途中にある。「辰巳の池」と書く場合もある。
主なエピソード
巽の池の大蛇を言向け和すエピソードが、第30巻第9~11章に出て来る。石熊は失敗し、捨子姫と末子姫によって大蛇は言向け和される。
- (乾の滝の大蛇を言向け和した後)末子姫、捨子姫、カール、石熊の四人はテル山峠の頂上に着いた[1]。山道を下って行くと途中に「巽の池」があり、乾の滝(乾の池)の大蛇の片割れが棲んでいる。ウヅの都の若松彦の命で末子姫たちを迎えに来た三人の男(春公、幾公、鷹公)と合わせて七人で、巽の池の大蛇退治に向かう。〔第30巻第6章「樹下の一宿」#~第8章「露の道」#〕
- 一行は巽の池に到着した。末子姫は石熊に先陣を命じるが、石熊は半泣きになってそれを断る。末子姫が「宣伝使の言葉に取り消しはありません」と戒めると、石熊は勇気を出して言霊を発射し、大蛇帰順の宣伝歌を歌い出す。しかし上から目線で改心を強要するような歌であり、失敗した。末子姫はもう一度宣り直しなさいと命じる。第30巻第9章「醜の言霊」#
- 石熊は改めて言霊を発射し、歌い出す。今度は丁寧に善言美詞的に宣り上げたが、やはり効果がない。石熊は「自分の過去の罪が深いので大蛇が馬鹿にしているのではないか」と恥ずかしがる。末子姫は「それは実に善い考えだ、その心を忘れるな」と言う。そして「あなたは三五教に入らなくてもよい。神様の誠の教えは、三五教だとかバラモン教だとかウラル教だとか、小さい区別されたものではない。名に囚われているようでは、誠の神の心は分かるものではない。すべて神の教えは自由自在に解放され一つの束縛もなく惟神的でなくてはならない。それが三五の道の真相である」と諭すと、石熊は感謝の涙を流した。末子姫は捨子姫に言霊を手向けるよう頼む。捨子姫が歌うと、短く簡単な歌であったが、その言霊の効用が現れ、黒雲はたちまち晴れ渡った。〔第30巻第10章「妖雲晴」#〕
- そして末子姫が歌うと、池の水は左右に開けて白竜が現れ、末子姫のそばに進み来て、涙を流して伏している。やがて白竜の体は小さくなり、ついには目に見えなくなった。竜神解脱の喜びに数多の天人が舞い下り、女神の姿と化した巽の池の竜神を守りつつ、空高く消えて行った。〔第30巻第11章「言霊の妙」#〕