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「深海の底にあって竜神の住むという宮殿。浦島太郎の説話で名高い。」〔広辞苑〕 | 「深海の底にあって竜神の住むという宮殿。浦島太郎の説話で名高い。」〔広辞苑〕 | ||
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2024年11月29日 (金) 19:42時点における最新版
竜宮城(りゅうぐうじょう)は、霊界物語に登場する城。聖地エルサレムにある。
- 第25巻第15章「改心の実」/a007#の「諏訪の湖の竜宮城」は、玉依姫命の館のこと。→「諏訪の湖」「玉依姫命」を見よ
- 第79巻第5章「湖畔の遊び」/a115#の「竜宮城」は、竜神族の都のこと。→「竜の都」を見よ
- 「陸の竜宮」とは、綾部の大本の竜門館(竜宮館)のこと[1]。→「陸の竜宮」「竜宮館」を見よ
- 「海の竜宮」とは、竜宮島の付近(竜宮海)の海底にある城のこと。→「海の竜宮」を見よ
概要
- 表記ゆれ:「竜宮の城」[2]、単なる「竜宮」
- 初出:第1巻第23章「黄金の大橋」#
- 聖地エルサレムの大神(国祖)の宮殿が建っている蓮華台の麓を湖水が取り囲んでおり、大小無数の島がある。黄金の橋が架けられており、その橋の向こうに黄金造りの大きな高殿がある。それが「竜宮城」である。[3]
- 聖地エルサレム(地の高天原)と竜宮城は、黄金の橋を隔てているだけで、ほぼ同じ場所にあるが、「地の高天原および竜宮城」「竜宮城も地の高天原も」などのように両者は別々のものとして扱われている。聖地エルサレムの中に竜宮城があるようだが、そのような記述は2回しか出て来ない[4]。→「聖地エルサレム#国祖の宮殿と竜宮城」も見よ
- 聖地エルサレムの蓮華台上に昇り、珍の宮(大神の宮殿)に到る身魂は、神界から大使命を帯びた神人である。また、竜宮に到る身魂は中位の神人である。珍の宮は天国のままを移写したものであり、清らかな身魂の神人が天地の神業に奉仕する聖地である。また竜宮は主に竜神が集まる所で、竜神が解脱して美しい男女の姿に生まれ変わる神界の修業所である。[5]
- 竜宮の第一の宝は「麻邇の珠」(別名・満干の珠)で、風雨電雷を叱咤し、自由に駆使する神器である。そのため総ての竜神はこの竜宮を占領して珠を得ようとして非常な争闘を始めている。しかしこの珠は珍の宮に納まっている「真澄の珠」に比べたら天地雲泥の差がある。また竜神は美しい男女の姿で顕れることができるが、天の大神に仕える天人に比べれば、神格も品位も著しく劣っている。[6]
- 竜宮城の東北にシオン山がある。[7]
- 大洪水後の竜宮城は、瀬戸の海に浮かぶ島になっている。第7巻で小波丸が瀬戸の海を東南に向かって進んで行く(出港地は不明)と、竜宮城が見えてくる。船客の会話の中で──昔は竜宮と瀬戸の海の間にシオン山という高い山があったが、大洪水の際の地震によってシオン山が沈んでしまい、竜宮と瀬戸の海が一つになってしまった──ということが語られている。小波丸は竜宮城の海面にさしかかった時、エルサレムとは方向違いの岸に着いたが、そこが竜宮城なのかどうかははっきり書いていない。そこには月照彦神を始め五柱の神がおり、小波丸から北光神ら三人が上陸して岩山を登って行くと、大小48個の宝座が設けられており、五柱の神は三人を宝座に案内して三界の実況を鏡のように写して見せた。[8]
- 竜宮と瀬戸の海の間にシオン山があった[9]ということは、現代の地理に照らし合わせると竜宮城の西方にシオン山があったということになる。しかし竜宮城の東北にシオン山があった[7]という記述もあるので、矛盾する。
竜宮城の役割
霊界物語において、国祖の宮殿がある「地の高天原」は地上神界の首都[10]としての役割を果たしているが、その中で「竜宮城」は政治を執り行う場所、つまり世界政府としての役割を果たしている。「政府」等と明確に記されてはいないが、神々によって権力闘争が行われている場所は「地の高天原」ではなく「竜宮城」である。
竜宮城は「主として竜神の集まる所で、竜神が解脱して美しい男女の姿と生れ更る神界の修業所である」[11]と記されているが、静的な修業所ではなく、欲望にまみれた闘争(権力闘争等)によって身魂磨きが行われる修業所ということだと思われる。
竜宮城のトップは「主神」とか「主管者」「主宰者」などと呼ばれており、初代は稚姫君命(稚桜姫命)が、二代目は国直姫命が、三代目[12]は常世姫が務めている。
ナンバー2は大八洲彦命である。稚姫君命も大八洲彦命も「天使」と呼ばれ[13]、ほぼ同格のような感じもするが、次の例のように序列は明らかに稚姫君命の方が上位である。
- 「稚桜姫命は金竜にまたがり、大八洲彦命は銀竜に」[14]
- 「稚桜姫命は(略)天使大八洲彦命に命じて」[15]
- 「稚桜姫命に信任厚き大八洲彦命」[16]
- 「大八洲彦命は(略)稚桜姫命に拝謁し」[17]
- 「大八洲彦命は、稚桜姫命の神命を奉じ」[18]
地上神界の主権者である国祖・国常立尊に対して、竜宮城の主神は世界政府の宰相格であると言える。だが国直姫命が上天[19]した後は、大八洲彦命らが「天使長」という肩書きで宰相格として活動しており、常世姫は竜宮城のトップではあっても宰相格ではない。
→「天使長#竜宮城の主神との関係」も参照せよ
主なエピソード
竜宮城は第1~4巻までの主要舞台であり、頻繁に登場する。しかし国祖隠退後(第5巻以降)は「地の高天原」が聖地エルサレムからアーメニヤに遷ったため、竜宮城は世界政府としての役割を終えている。そのため第5巻以降はほとんど登場しない。
エピソードは各巻のページを見よ。
黄金水と天の浮橋
- シオンの滝の清泉が竜宮城の真奈井に注がれた。それよりこの水を「黄金水」と呼ぶ。その後、シオン山の山頂から「顕国の御玉」が竜宮城に運ばれ「三重の金殿」に奉斎された。すると黄金水の精が十二個の美しい玉をなって空に舞い上がり、地上に降下した。この玉は12人の従臣(下記参照)が保管したが、邪神の竹熊がこれを奪おうとして策略をめぐらす。〔第1巻第38章「黄金水の精」#〕 →「黄金水の十二個の玉」を見よ
- 国祖隠退後、竜宮城の「三重の金殿」から「天の浮橋」が天に延び、大洪水から地上の神々を救い上げて行く。→「天の浮橋」を見よ
竜宮城の主な神司
上層部
- 稚姫君命(稚桜姫命):「竜宮城の主神」[20]
- 国直姫命:「国直姫命は、稚桜姫命の天職をおそひ、竜宮城にとどまり地の高天原を治めたまふこととなつた」[21]
- 大八洲彦命:「竜宮城管理の職」[22]、「竜宮城の宰相神」[23]、「吾こそは元は竜宮城の天使長大八洲彦命なるぞ」[24]
- 常世姫:稚姫君命の第三女。「常世姫は、ほとンど竜宮城の主宰者となり」[25]。桃上彦が天使長の時代に「常世姫は竜宮城の主管者となし」[26]。「竜宮城の主宰常世姫」[27]
- 初花姫:常世姫の娘。「竜宮城は初花姫代りて主宰者となりぬ」[28]。母の死後「常世姫」を襲名。「竜宮城の司宰神なる常世姫」[29]
- 高尾別(八王大神常世彦の変名):一時改心して竜宮城の役職に就く。「高尾別をして竜宮城を総轄せしめ(略)言霊別命の上位につかしめ、神務に奉仕させられたのである」だがまたすぐに悪化して「国治立命に反抗の態度をとることとなつた」[30]
黄金水の十二個の玉を保管した神司
その他
- 坂姫:「坂姫は容色端麗なる竜宮城の美人であつた」[31]
- 言霊別命(旧名・美山彦)、言霊姫命(旧名・国照姫):「大八洲彦命の参謀にして、かつ信任ある美山彦命」[32]、「竜宮城の寵神言霊別命、言霊姫」[33]
- 大足彦、花照姫、道貫彦:「竜宮城の勇神、大足彦、花照姫、道貫彦」[34]
- 鬼熊、鬼姫:邪神。「鬼熊はその妻鬼姫に計を授けて竜宮城の奥深く忍ばしめ」「鬼熊は鬼姫の苦心により、つひに竜宮城に出入を許さるるとこまで漕ぎつけた」[35]
- 美山彦(本名・棒振彦)、国照姫(本名・高虎姫)、杵築姫、竜山別:邪神。「竜宮城内よりは美山彦、国照姫、杵築姫、竜山別らの一派は」[36]、「竜宮城に野心を包蔵して永く仕へゐたる美山彦、国照姫は」[37]
- 田野姫:「竜宮城には言霊別命の侍臣に田野姫といふのがあつた(略)田野姫は実は高虎姫の偽名国照姫の探女として入り込んでゐたのである。 田野姫は竜宮城の内事に関し、非常な信任と勢力があつた」[38]
- 数子姫:「容色並びなき数子姫を城内に召し、言霊別命に近侍せしめた」[39]
- 花森彦、道貴彦:「竜宮城の表大門口は花森彦、道貴彦二神司が控へてゐた」[40]
- 若豊彦:「邪霊の退きさつた若豊彦は、はじめて本心にたちかへり、正しき神司となつて竜宮城に奉仕することとなつた」[41]
- 梅若彦:「竜宮城より派遣されたる梅若彦」[42]
- 與彦、田依彦、與若、木糸姫、竜国別、三国別、高杉別:「竜宮城の従臣與彦、田依彦、與若、木糸姫、竜国別、三国別、高杉別らの役員等」[43]
- 佐倉彦、白峰別:「竜宮城の従臣佐倉彦、白峰別」[44]
- 豆寅:「旧と竜宮城の従属なりし豆寅」[45]
竜宮城と竜宮館
キプロス島
『新月の光』に竜宮城は「テプロス島」に相応するという記述があるが[46]、地中海東端の「キプロス島」の誤りだと思われる。しかし疑問符(「?」マーク)が付いており、根拠に欠けるのだと思われる。
- キプロス史 - コトバンク:「キプロス島には,前 6000年以前より始った高度の新石器文明が存在したことを発掘物は示している」〔ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典〕
- <wp>キプロス</wp>
竜宮城の一般的意味
「深海の底にあって竜神の住むという宮殿。浦島太郎の説話で名高い。」〔広辞苑〕
- 竜宮 - コトバンク
- <wp>竜宮</wp>
伝説との比較
- 浦島太郎伝説の竜宮城も、記紀の山幸の神話に登場する海神の宮(綿津見の宮)も、海中にあるが、霊界物語の竜宮城は陸上にある。ただし海中にある竜宮城としては「海の竜宮」と「竜の都」が登場する。海中の竜宮城に行くエピソードは、第8巻第4~5章・第11~13章(海の竜宮)と、第79巻第1~13巻(竜の都)に出る。
- 浦島太郎伝説のような「主人公が竜宮城から帰って来て玉手箱を開けたら老人になってしまった」というモチーフは、霊界物語には出ない。
- 山幸(火遠理命)が海神の宮で結婚した豊玉姫命は、霊界物語ではあまり活動しないが、妹の玉依姫命は竜宮島の諏訪の湖で五個の麻邇の玉を錦の宮に奉納する。
- <wp>山幸彦と海幸彦</wp>
- <wp>浦島太郎</wp>
脚注
- ↑ 霊界物語で竜宮城が「陸の竜宮」と呼ばれている箇所が1箇所だけある。第8巻第11章「海の竜宮」#:「陸の竜宮に於て時めき渡りし桃上彦も」
- ↑ 使用回数は、竜宮城308回、竜宮の城2回
- ↑ 第1巻第23章「黄金の大橋」#
- ↑ 第1巻第32章「三個の宝珠」#:「地の高天原の竜宮城」、第65巻第26章「七福神」#:「聖地エルサレムの竜宮城」
- ↑ 第1巻第23章「黄金の大橋」#
- ↑ 第1巻第23章「黄金の大橋」#
- ↑ 7.0 7.1 第2巻第39章「太白星の玉」#:「シオン山は竜宮城の東北に位し」
- ↑ 第7巻第48章「悲喜交々」#~第50章「三五○」#
- ↑ 第7巻第49章「乗り直せ」#:「昔は竜宮と瀬戸の海との真中に、それはそれは高い山があつて、その山はシオン山というてな」
- ↑ 霊界物語に「首都」と明確に書かれているわけではない。また首都と言っても住民が住む町は登場せず、国祖の宮殿が舞台となるだけである。
- ↑ 第1巻第23章「黄金の大橋」#
- ↑ 霊界物語に「初代」とか「二代目」「三代目」と書いてあるわけではない。
- ↑ 第1巻第37章「顕国の御玉」#:「国常立尊の厳命を奉じ、ここに天使稚姫君命、同大八洲彦命、金勝要神の三柱は」、第1巻第50章「死海の出現」#:「国常立尊は大八洲彦命および稚姫君命の功績を賞し、ここに霊国天使の神位を授けたまうた」
- ↑ 第2巻第7章「天地の合せ鏡」#
- ↑ 第2巻第17章「佐賀姫の義死」#
- ↑ 第2巻第20章「疑問の艶書」#
- ↑ 第2巻第30章「十曜の神旗」#
- ↑ 第2巻第40章「山上の神示」#
- ↑ 第3巻第27章「不意の昇天」#
- ↑ 第2巻第46章「天則違反」#
- ↑ 第2巻第48章「律法の審議」#
- ↑ 第1巻第31章「九山八海」#
- ↑ 第1巻第41章「八尋殿の酒宴(一)」#
- ↑ 第8巻第10章「仮名手本」#
- ↑ 第3巻第28章「苦心惨憺」#
- ↑ 第4巻第34章「紫陽花」#
- ↑ 第4巻第36章「天地開明」#
- ↑ 第4巻第40章「照魔鏡」#
- ↑ 第5巻第10章「奇々怪々」#
- ↑ 第2巻第49章「猫の眼の玉」#
- ↑ 第1巻第40章「黒玉の行衛」#
- ↑ 第2巻第3章「美山彦命の出現」#
- ↑ 第2巻第11章「狸の土舟」#
- ↑ 第2巻第4章「真澄の神鏡」#
- ↑ 第1巻第47章「エデン城塞陥落」#
- ↑ 第3巻第43章「配所の月」#
- ↑ 第4巻第6章「怪また怪」#
- ↑ 第2巻第10章「タコマ山の祭典 その二」#
- ↑ 第2巻第20章「疑問の艶書」#
- ↑ 第2巻第35章「蒲団の隧道」#
- ↑ 第2巻第35章「蒲団の隧道」#
- ↑ 第2巻第37章「長高山の悲劇」#
- ↑ 第3巻第28章「苦心惨憺」#
- ↑ 第3巻第41章「二神の帰城」#
- ↑ 第7巻第5章「日出ケ嶽」#
- ↑ 新月の光0234「霊界物語の地名」